旅の記録

旅の記録
岡山での学会から始まった旅
この旅のスタートは、岡山での学会でした。
学生さんたちにとっては研究成果を披露する大切な場。私はその姿を見守り、一緒に思い出をつくる時間を過ごしました。緊張しながらも堂々と発表する若い姿に、未来への希望を感じました。
 
息子の復帰戦 ― ニセコにて
その後、北海道はニセコアンヌプリへ。
5月の事故から3ヶ月。命を落としていてもおかしくなかった長男が、こうして元気にレースに戻れたことに感謝しています。復帰戦はエリートクラス12名中12位。それでもシリーズ最長2.7kmのロングコースを転倒なく走り切った姿は、本当に素晴らしいものでした。
 
命を守られてきた系譜
父もまた、崖から落ちたり、釣りで命綱が切れたりしながらも奇跡的に助かった経験を語っていました。
私自身も、そして息子もまた「守られてきた命」の系譜の中に生かされているのだと、この旅を通じて実感しました。
 
フェリーで見つけた小さな工夫
小樽から舞鶴へ向かうフェリーでは、トイレの扉をマグネットで固定する仕組みや、ベッドに面した棚の小窓など、快適に過ごすための小さな工夫に気づきました。
祖父は戦時中、佐世保で軍艦の内装を手がけていた大工の棟梁でした。当時は安全や快適さまで配慮する余裕はなかったでしょう。
今こうして当たり前のように便利さを享受できていることに、祖先から続くものづくりの系譜を感じ、胸が熱くなりました。
 
長岡京という旅の出口
旅の終わりは、長男の新居の最寄り駅でもある長岡京でした。
かつて天皇が都を置いたこの地に帰り着いたことは、偶然以上の意味を感じます。
巨大な古墳や都の跡に示されてきた「権威」と、私たちがこれから形づくる「新しい権威」。
それは肩書きや立場に依存するのではなく、人や知をつなぐネットワークの中に宿るものなのかもしれません。
 
旅を終えて
岡山で学生さんたちと過ごした時間、ニセコでの復帰戦、フェリーでの小さな感動、そして長岡京という出口。
それらが一本につながり、「命を受け継ぎ、学びを重ね、未来へ渡す」というテーマに結実しました。
研究支援の現場では、これまでに培った知識や技術を未来に手渡す立場として。
介護の現場では、経験豊かな先輩たちから学び、引き継ぐ立場として。
私はこれら二つの仕事を通して、「受け継ぐこと」と「手渡すこと」の両方を意識しながら、次の一歩を歩んでいきたいと思います。
旅は人生そのもの。これからも、自分に与えられた場所で役割を果たしながら、未来へとつなげていきたいです。

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